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夢を実現する

 

キャリン・ジョンソンは、子供のころからずっと女優になりたいと思っていた。実際、最初にきちんと話した言葉が「私、演技が大好き」だったそうだ。

 

ニューヨークの福祉住宅に暮らす貧しい家庭で育ったが、演劇の世界、または彼女が言うところの「他の誰かのふりをする」世界が、彼女の人生の大きな部分を占めていた。

ちょうどそのころ、舞台演出家のジョー・パップが主催する無料のシェイクスピア劇が、彼女の暮らすチェルシーにやってきた。それに、弟のクライドと母親のエマと一緒によく映画も見ていた。母親のエマは、女手一つでキャリンと弟を育てた。

 

「キャロル・ロンバドードが長いサテンのドレスを着て階段を下りてくるのを見たときに思ったの。『私にもできる』って」と彼女は言う。

 

「自分もあの階段を下りて、同じセリフを言って、同じ人生を送りたかった。映画の中でなら、女王様になることもできる。大きくて豪華なベッドで寝ることもできる。自分の部屋で、サテンのシーツにくるまれてね」

 

8歳になると、彼女はハドソンギルド・コミユニティセンターの舞台に立つようになった。ここは彼女の地元にある施設で、託児所と子供の演劇プログラムを兼ねている。

 

しかし、高校生になると、彼女の人生は大きくわき道にそれてしまう。読書障害があるために、知的障害があると誤解されてしまったのだ。彼女は高校を中退し、ドラッグ依存症になり、女優になる夢のことはすべて忘れてしまった。そして19歳になると、母親と同じシングルマザーになっていた。

しかし彼女は、勇気を出してドラッグ依存症を克服する。実際、彼女の娘の父親は、依存症克服の力になってくれたドラッグ・カウンセラーだった。ところが、悪いニュースもある。それは、彼が父親にまったく向いていなかったことだ。娘のアレクサンドラが生まれた数か月後、彼は去っていってしまった。

 

キャリンは高校中退で何のスキルもなかった。できることと言えば、子供の世話しかなかった。そこで友人の子供の世話をする仕事を引き受け、その友人と一緒にテキサス州ラボックに引っ越した。その後、友人はサンディエゴに引っ越し、キャリンと娘も喜んでついていった。

 

やがてその友人との仲が破たんすると、キャリンはカリフォルニアで途方に暮れてしまった。お金もないし、スキルもない。車の運転さえできなかった。車社会のカリフォルニアで、運転免許がないのは大いに不利だ。

「私には高校の卒業証書もない」とキャリンは言う。

「私が持っていたのは、自分自身と娘だけだった」

あとは、そうだ、「私は演技がしない」というあの夢だ。それから彼女は、昼間はレンガを積む仕事をするかたわら美容学校に通い、夜は実験演劇のグループに参加した。しばらくの間、葬儀場でヘアセットとメイクアップの仕事をして、福祉の手当では足りない分を補っていた。「子供の靴が一足だけではかわいそうだ。165ドルで買った食材をどうやって1か月もたせようか。そんな心配ばかりしていた」と彼女は言う。

 

そんな暮らしを続けながらも、彼女はずっと「どんなことでも可能だ」と信じ続けた。自分もキャロル・ロンバードになれるという思いを捨てなかった。自分もいつか、長いサテンのドレスを着て優雅に階段を下りてくる。

「演技の才能だけはずっと自信があった。これならできると昔からわかっていた」と彼女は言う。

そのゆるぎない信念が、ついに一つのドアを開けた。

 

1983年、『卒業』などの名作で有名な映画監督のマイク・ニコルスが、たまたま彼女の演技を目にしたのだ。実験演劇グループのバークレー公演で舞台に立った時のことだ。ニコルスはキャリンの演技に衝撃を受け、其の場ですぐにブロードウェイの「ザ

・スプーク・ショー」という舞台に出演する契約をする。これは女性の一人芝居だ。そして、スティーブン・スピルバーグがその舞台を見て、彼女を映画『カラーパープル』のセリー役に抜擢する。そのころ、彼女は名前をウーピー・ゴールドバーグに変えていた。

 

「私は何でもできる。私は何にでもなれる。誰かにできないと言われたことは一度もなかった。おまえにできることは限られていると言われたことも一度もなかった。だから私は、いつも『何ができないか』ではなく、『何ができるか』という視点から考えている」

彼女は自伝の『ブック』の中でそう書いている。

 

「自分が水をワインに変えることができないのはわかっている。猫にフランス語をしゃべらせることもできない。でも、今までの人生で学んだのは、何の偏見も持たずに物事と向き合えば、世界は何でも描ける白いキャンバスになるということだ」

 

「夢に見るだけで、実現することができる。自分のいたい場所にいられるし、望んだ状況に身を置くことができる。マンハッタンの福祉住宅でシングルマザーに育てられた少女が、自分もシングルマザーになり、福祉の手当とその場しのぎの仕事で7年間かつかつの生活をしていても、いつか映画に出ることができる。私はずっとそう信じていた」

 

「そう、だから私は、すべては可能だと信じている。私がそう断言できるのは、自分が実際に体験したからだ。自分のこの目で見たからだ。昔の人が奇跡と呼んだような現象を実際に目撃したからだ。でも奇跡は本当は奇跡ではない。それは誰かの夢の結果だ。私たち人間は、楽園を創造する力がある。自分の手で、お互いの人生をよくすることができる」

 

そう、それは可能なのだ。

「何かが起こっていないからといって、それが不可能だというわけではない。ただ。まだ起こっていないだけだ」

睡眠の常識を取り払う

●睡眠の既成概念を取り払う

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■自分の睡眠の常識を壊す

短眠に挑戦するにあたって、まず第1ステップでは睡眠に対する常識を取り払わなければなりません。

 

第1章を中心に、すでにここまで睡眠の害悪についてさんざん書いてきましたが、まだすべてを理解できていない、あるいは理屈はわかるけど信じたくない、うさんくさい、という気持ちをお持ちの方も多いと思います。

 

しかし、それで大丈夫です。素直な気持ちで、自分にとっての睡眠のイメージを出せるだけリストアップしてみてください。

 

参考までに、これまでの受講生があげたリストの中から主だったものをチェックシート仕様にしてまとめてみました。あなたが正しいと思う睡眠の常識にチェックを入れてみてください。

 

□睡眠を長時間とらないと身体に悪い。

□睡眠を長時間とらないと肌荒れやニキビなど、美容に悪影響が出る。

□睡眠をとらないと疲労が回復しない。

□7時間睡眠が一番身体によく、長生きできる。

□日中眠たくならないように、夜はきちんと睡眠をとらなければいけない。

□睡眠不足のときには長時間眠らないといけない。

□ウツの症状を改善するためには、きちんと睡眠時間を確保しなければならない。

□睡眠によって日頃のストレスが解決する。

□短時間睡眠では心身ともに本来のパフォーマンスを発揮できない。

□目覚めがよくないのは、90分周期で起きていないから。

□短眠の講師よりも製薬会社や医師の睡眠理論が一番信用できる。

□風邪をひかないために、もしくは風邪を治すためには睡眠が必要だ。

□日中たくさん活動したときは、疲れがとれるまで眠らなければならない。

□やる気が起きないのは睡眠時間が足りないからだ。

□寝る子は育つ

□集中力が下がる主な原因は睡眠時間が足りないからだ。

□記憶の整理をするために睡眠時間の確保が必要だ。

 

 

■マインドブロックを外す。

さて、前項のチェックシートにいくつチェックが入ったでしょうか?すべてでしょうか?あるいは2つ、3つといったところでしょうか。

いずれにせよ、チェック項目はすべて間違いです。それでもチェックを入れてしまったあなたは知識不足、というよりはマインドブロックが強いということです。

 

知識不足の状態、あるいはマインドブロックが在る状態で短眠にチャレンジしてしまうことは、ブレーキを踏みながらアクセルを踏んで進もうとしていることと同じようなものです。

 

「短眠生活をしている」と身近な人に打ち明けたときのことを想像してみてください。何と言われるでしょうか。

 

おそらく、ほぼ100%の確率で「それって危なくないの?」と言われると想像しているのではないですか。短眠にチャレンジする際には、そうした場面で理路整然と言い返せるくらいの理解と知識が必要です。なぜなら、「それって危なくないの?」と言っているのは、もう一人のあなたであり、マインドブロックそのものだからです。

 

 

●短眠習得のための習慣を学び、実行する

 

■カリキュラムの肝

短眠習得のためにはいくつか具体的なルール、習慣があります。第2ステップではそれを頭に叩き込み、短眠チャレンジ中は必ず守ってください。

毎日の習慣ということもあり、このステップはカリキュラム全体の中でも非常に重要です。

 

■習慣1 二度寝スヌーズ機能使用の禁止

二度寝をすると、本来備わっているはずの起床を促すホルモンが出なくなります。朝、起床がつらい人ほど、生活リズムを180度変えるようなつもりで、二度寝や目覚まし時計のスヌーズ機能を使わないと決断してください。

 

■習慣2 自分の睡眠を記録する

社会評論家の岡田としおさんがベストセラー『いつまでもデブと思うなよ』で紹介したダイエット法は「レコーディング・ダイエット」(食べたものと摂取カロリーを毎日記録しつづけることで食生活の改善につなげるダイエット法)の要領で、毎日の自分の睡眠時間を記録してください。

何時に寝て何時に起きたのかはもちろん、入眠時の感覚や、寝起きの状態、日中の活動記録などもつけると、自分の活動と眠気や睡眠時間との関連性を分析し、改善することができます。

 

■習慣3 起床時間を固定する

入眠時間を固定するよりも、起床時間を固定することが大切です。7時に起きると決めたら、何時に寝ようが7時に起きるのです。生活のリズムが整いやすく、感情の揺れも抑えられます。

 

■習慣4 1日1回はパワーナップをとる。

パワーナップという仮眠法をご存知でしょうか?

パワーナップとは、夜の睡眠(本眠)とは違い、昼に眠気を感じたときに15分程度とる仮眠のことです。睡眠に”質”という概念はないとお伝えしましたが、パワーナップに関しては短時間で眠気をとるための効率が期待できます。日中の一度のパワーナップが、本眠の1時間半分にも匹敵する睡眠効率を発揮することも珍しくありません。

 

■習慣5 眠る前にストレッチをすることを習慣にする。

忘れられがちですが、ストレッチは短眠にとって大切な習慣です。手足や股関節を刺激し、血液とリンパを流します。

たった2分のストレッチ運動でも、目覚めのスッキリ感は別次元です。

 

■習慣6 週に1~2回であれば長時間睡眠OK

カリキュラムの実行中、どうしてもしんどかったり、のっぴいならない覚醒時の諸事情がある場合は、週2回までなら長時間睡眠をしても大丈夫と伝えています。

ただし、向上性維持機能(内部・外部の環境の変化で身体のリズムが左右されないように維持する力)を長時間睡眠に合わせないために、2日連続での用時間睡眠はNGです。土日がお休みだからと言って、土日に寝だめしてしまうと、月曜日の朝やその後のウィークデーで地獄のような睡眠不足の感覚を味わうことになります。

 

■習慣7 1日一回は短眠の知識を上書きする

世の中は、長時間睡眠こそ正義という理論が氾濫しており、意識しなくても勝手に情報が入ってきてしまいます。

情報を遮断することもいいかもしれませんが、「短眠で生活することは間違っていない」と自分に刷り込むことが非常に大切です。